FC2ブログ

文化・芸術は水道の蛇口ではない 「びわ湖リング」神々の黄昏

コロナウイルス騒ぎでいろいろなコンサートやイベントが中止になってしまい、寂しい限り。

そんな中、一昨日土曜日、昨日日曜日と、びわ湖ホールのプロジェクトした4年がかりのワーグナー「ニーベルングの指環」の最後の演目「神々の黄昏」が、無観客上演に踏み切りました!
そして、定点カメラではありますが、それをライブでYou Tubeでストリーミング。
後日DVDで発売もするそうです〜

“無観客でワーグナー”ネット上演 新型コロナで公演中止 大津・びわ湖ホール

何でも一億円以上かけたプロジェクト。発売と同時にチケットは売り切れだったそうな。
さぞお客様を入れて上演したかったことでしょう。関係者の無念、お察しします。
しかし、ここでYou Tubeの無料ライブストリーミング上演を行ったことは、本当に英断だったと思います!

わたしは土曜日は銅版画教室があったので、仕事の合間にチラチラと上演を観て、Twitterをチェックしてたのですが、初めてワーグナーを観る方が「本当に素晴らしい」「こんなステージを無料で観られて本当に良かった」と感想を寄せていたのが印象的でした。
リアルタイム視聴者は1万人を超えていました!
びわ湖ホールが1800人のハコですから、本来であれば観ることのできなかった人に配信できたことになります。
演出がリアル・ワーグナーのト書き通り(それをプロジェクションマッピングなどハイテクを駆使して表現している)、わかりやすくて、あたかもラッカムの絵本を観ているかのような美しい演出だったのも好評につながったのかもしれません。

「神々の黄昏」は、わりと漫画やアニメ、ゲームとかで翻案されて使われることの多いコンテンツであることも、一度もオペラを観たことのない人が興味を持った原因でしょうね。

私もワーグナーにドハマリしたのは「神々の黄昏」がきっかけだったなあ。
ヴィスコンティの映画をみて興味を持ったのが最初だったと思います。
「神々の黄昏」から「ジークフリート」「ワルキューレ」「ラインの黄金」と、さかのぼって聴いていった感じ。

大学生だった頃、ちょうどCDが出始めたばかりのときでした。
ショルティ指揮の「ニーベルングの指環」全曲CDセットが、10万円超えのお値段だったのですよ(汗)
当然買えませんから、当時NHK−FMで年末の深夜にやっていたバイロイト音楽祭のライブ録音をカセットテープに撮って繰り返し聞いたものです。

一晩で一幕ずつ放送してくれるのですが、ワーグナーの1幕って結構長いんです。
90分のカセットテープだと一回裏返さなきゃいけないわけで。いやね、オートリバースなんて機能がその時持ってたラジカセじゃなかったもんでね(笑) うっかりウトウト寝てしまうと「あ〜〜〜いけねええ〜〜ひっくり返し損ねた!」みたいな惨事に。(爆)

でも、神々の黄昏は頑張って全録できたので、繰り返し聞きました。
セリフはまるでわからなかったのですが、その当時寺山修司監修の絵本(アーサー・ラッカム挿絵)が出たので、それを購入して物語を把握しました。

81X1CEYmV2L.jpg

まだ指輪全曲の対訳本も出ていなかった頃。
インターネットもなかった頃ですので、本当に少ない情報を苦労してかき集め、好奇心を埋めていたあの頃。いんや〜懐かしい。
人間、たやすく得られるようになると、逆に熱意を失うもんですね〜

今回の神々の黄昏は、あの頃バイロイト音楽祭の録音を聞き、ラッカムの絵本を見ていた時想像した舞台世界が実現したかのような演出でした。絵として本当に美しかった!!

きっと今回普通に上演できていたらこれほど話題にもならず、私も遠いびわ湖まで足を伸ばすこともなかったので、上演を注視することもなかったでしょうね。

リンク先の記事にあるように、指揮者であり芸術監督の沼尻竜典さんは、さまざまな分野で公演中止が相次いでいることについて質問が飛ぶと「我々は精いっぱいやれることをやるだけだが、文化・芸術は水道の蛇口ではない。いったん止めてしまうと、次にひねっても水が出ないことがある」と現状に懸念を示していらっしゃいます。

我々に出来ることは「灯をともし続ける」ことに他なりません。
東日本大震災のときも今回もそうですが、きっと何年かに一度こういう危機が訪れると思いますが、常に平常心で日々の生活を送ることを心がけたいと思います。
文化芸術は決して「不要不急の事柄」ではないと信じます。

コメント

非公開コメント

ABOUT "kero"



◯十の手習いでバイオリンを始めて20年目!
ヘタレなアマチュアバイオリン弾きの記録です。

Twitter

シンプルアーカイブ

登場「ニャン」物

リンク

●2000年から10年間のバイオリン日記


●本業の銅版画のホームページ

タグクラウド

検索フォーム

QRコード

QRコード