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バイオリンと外宇宙の話 vol.2

バイロイト音楽祭2019 ワーグナー 「タンホイザー」

この前の日曜日の深夜、今年のバイロイト祝祭劇場での新演出・タンホイザーを放映してました。
ゲルギエフの指揮ということで前から楽しみにしていたのですが、演出がトビアス・クラッツァーというトンデモ演出のかたなので、どうなることかハラハラドキドキだったのです。

が、これが本当に面白い演出で。いや、もちろんトンデモ演出だったのですがw、去年放映されたローエングリンとかトリスタンとイゾルデとかが「ハア?」としか言いようがない演出だったので、このタンホイザー久々の私的大ヒットって感じです。



出だし、ヴェーヌスブルグの音楽に乗ってシトロエンで疾走する4人組

Tannhauser1.png

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何でも「移動式サーカスのメンバー」だそうで、タンホイザーはピエロの格好をしてます。運転手&座長はパンクな格好のヴェーヌスなのね。

ここで、原作にないキャラが二人登場。
ブリキの太鼓の小人オスカルくんと、黒人のオネエ、ドラッグクイーンのル・ガトー・ショコラちゃん。
ちなみにル・ガトー・ショコラは役名だけでなく芸名でもあるそうです!

道中色々あって、何もかも嫌になって逃げ出したタンホイザーは、気絶しているところを自転車に乗った牧童(笑)に助けられ、なんとバイロイト祝祭劇場に連れてこられます。
どうもタンホイザーはじめヴォルフラムもワルターも、すべての登場人物はこのバイロイトで働く歌手たちらしい。
ここで、この演出は「メタ・歌劇」とか「メタ・タンホイザー」とか、「バイロイト祝祭劇場の物語」だということがはっきりするという仕掛け。

タンホイザーを追いかけてきたヴェーヌス、オスカルくん、ショコラちゃんの3人が劇場に到着して第一幕終了。

いやね、夜ふかしするつもりなかったんだけど、一体これからどうなるんだろうとワクワクし、つい最後まで見ちゃいました(笑)

このメタ・シアターの演出は2幕目で最高に発揮されます。



幕が上がる前からステージに白いフレームが作られています。その上のスペースで楽屋裏で起こっていることを同時に白黒の映像で流す仕掛け。

Tannhauser3.png

舞台下部(白いフレームの中)では歌手が今現在リアルタイムで演じているのですが、実はそれは演じられた役=虚像であって(白いフレームはテレビ画面の枠のように感じられます)、実は歌手の本当の真実は上に流れる白黒の映像(もちろん過去に収録したもの)という。

Tannhauser4.png

追っかけてきた3人組、開幕ラッパを吹くあのベランダからはしごで侵入(笑)
ワーグナーの革命時代のスローガン「欲する自由、行動する自由、楽しむ自由」という標語をベランダに掲げます。

で、なんと現地観劇された方の話によると、2幕おわって休憩で外に出てくると、実際にベランダにはしごと標語が掲げてあったそうな!
中庭の池ではオスカルくんとショコラちゃんのパフォーマンスもあったそうですよ〜。
まさにまさに、メタ・シアター!!

Tannhauser5.png

2幕途中、タンホイザーがキレて他の歌手と本気で喧嘩をおっぱじめる所から実像と虚像が入り混じります。
ヴェーヌスの歌とともに3人組が登場!
ヴァルトブルクとヴェーヌスブルグがなんと一堂に会するという快挙(笑)

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舞台上が大騒ぎになったところで、なんとカタリーナ・ワーグナー登場。(ワーグナーのひ孫さんで現バイロイト総監督)警察に110番。
タンホイザーはローマならぬ駆けつけた警察へしょっぴかれていきます〜。



3幕目はだいたいどの演出見てもダレるところなんですけれど(合唱くらいしか動的なドラマがないためか)、この演出ではブリキの太鼓のオスカルくんが歌わない役ながら「傍観者」として、そこに起こる静かなドラマを冷静に見つめ、あるときは登場人物に同情し、共に悲しみ、感情を増幅すべく機能していて大変効果的でした。ブリキの太鼓の映画でも、オスカルくんは歴史の傍観者でした。

全体的に、単純に演劇としても面白く、演奏も良かった。
といっても、最初は演出ばかりに気を取られて演奏まで気が回らなかったんだけどw

随所に笑いも盛り込まれていて、例えば巡礼の合唱・バイロイト詣のお客さんが暑いのでパンフレットでパタパタ仰いだりw(開演前の客席の皆がやっていたこと)、舞台裏でショコラちゃんがティーレマンの写真の前でうっとりしたりw(観客は大爆笑)

なにより奇抜に見えてしっかり音楽に合っている、音楽を疎かにすることがないあたり素晴らしいと思います。2回見て、よく練られた演出だと確信しました。
このクラッツァーさん、別のところでも以前タンホイザーやっているそうですが、今回はバイロイトで上演することを意識して全面的に変えてきたのですね〜。

しかし、3幕目の最後のライトが消えるとブーイングとブラボーが半々くらい(笑)
特にゲルギエフと演出スタッフはブーイング多かったですね。
ゲルギエフは直前にお母様が亡くなられて、初回はキャンセル、2回めから振ったらしいです。準備不足だったのかな?
それはともかく歌のない演技だけのショコラちゃんにブーイングが出たのはひどいと思ったなあ。だって、演出家の言うとおりに演技しただけじゃんね。

この演出に一つ難があるとすれば、オリジナルを知らなくてはパロディーは成り立たない(コンテキストが紐付けられない)ことかな。
初めてタンホイザーを見た方には、何が面白いかさっぱりわからないかもしれないです。ブリキの太鼓のオスカルくんもそうかもしれない。ま、そんなに歌詞とも乖離してない演出だとは思いましたがね〜。

バイロイト、NHKプレミアムシアターで毎年一つはやっていただけるので、5本に1本はこういう名作に巡り会えてうれしいです。
ぜひ来年はリングの新演出を4晩連続で〜!(難しいかな?)
    14:07 | Trackback : 0 | Comment : 0 | Top

新曲いろいろ

月曜日はレッスンでした〜。
クロイツェルのあの「苦手系」のオクターブの課題はなぜか突然アガリになりました!
しかしまだまだオクターブは続くの巻。

IMG_6295.jpg

今度は分散和音です。でもクロイツェル教本だともうオクターブの課題はないので、次からはもう少し得意系もやれるかも?(いや、また音階のハイポジションに戻ったりして。ヒイ〜)

スプリング・ソナタは1楽章はめでたく終了しました。
最後まで注意されたのはこういうところ。

IMG_6296.jpg

一回一回弓を同じ位置に戻して、しっかり噛ませてスタッカート…
というのが、やっぱりアタシは超苦手。

今の先生に変わってから「厳しいなあ」と思うことが多かったのですが、実は先生は私の苦手系を把握してそれをひたすら克服するべくレッスンしてくださる先生とハッと気づきました。
(オクターブの重音とかも弱い小指強化プログラムだよね〜。)

さて、翌日は東京方面の合奏団。
新曲始まりました!
ハイドンのカルテット「五度」



なんだか最近お上手な方が入ってきたのでいっぺんで通るようになったなあ。

ハイドンのカルテットはとにかくファーストが大変なので、セカンド以下はわりかし楽です(ほほほ)
しかし、全員が一拍ずれたシンコペやったりとか、ちょっとした難所が存在するので侮れないです。

IMG_6297.jpg

全員が同じことをやっているので、かなり細かい音符でカウントしてないとヤバいところ。
ハイドンってわりとこういうの多いです。

あと、2つの合奏団以外の別イベントでモーツァルトの初期カルテットを弾くことになりました。
K.156



意外にも初めて弾きます!
初期カルテットにしては少し難し目なので、スルーしてた曲なのかな?
テンポよく、歯切れよくパリッと弾ければかっこいい曲ですよね(そういうふうに弾きたい)
    19:10 | Trackback : 0 | Comment : 0 | Top

弓の毛替え

1年ぶりに弓の毛替えに行ってきました!
いつもお世話になってるのは新横浜にある工房です。

電話で予約して、猛暑の中汗ダラダラでお店に到着すると、「今までモンゴルの毛のみだったのですが、もっと上質のフィンランドとシベリアというのを扱い始めました」とのこと。
何でもモンゴルより毛が細くて良い音が出るのだとか。
お値段は2,000〜2,500円ほど割増になります。

シベリアとフィンランドの(500円の)差はなんですか?と聞くと、シベリアのほうが持ちが良いとのこと。

ホンマかいな〜、でもまあおすすめとのことなので、ここは職人さんを信頼して、良い方のシベリアというので毛替えをしてもらいました。
(ついでに駒のズレなども直していただきました)

家に帰ってから松脂ヌリヌリし、ついでにG線も張り替えたりして、2,3日弾いてみると…

本当だ!!
なんか弓毛が細くて繊細な感じ。
大袈裟に言うと前のは「ゴリゴリ」していたのが、今のはシルキーというか、弦への吸い付き加減も良い感じです。
E線を弾くときも雑音が気のせいか少ないような…
あらビックリ〜

たかが道具、されど道具ですな。
せっかく楽器がいい感じなので、猛暑で出かけたくないお盆休み、家で冷房効かせて練習に励む予定です〜
    15:45 | Trackback : 0 | Comment : 0 | Top
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Author : kero

◯十の手習いでバイオリンを始めて十数年目!
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