バイオリンと外宇宙の話 vol.2

放送大学「舞台芸術の魅力」と町田樹さんの連載「プログラムという宇宙」

7月PIW東京公演が終わって、「アタシの町田樹シーズン終わっちゃったよ…」と嘆き悲しんでました。
10月にJOもCaOIもあるんですけどね、行けないんですよね(;_;)
ハイTVで見ますけどね。

と・こ・ろ・が…

8月中旬ビッグニュースが来ました!!

「KISS&CRY」というフィギュアスケート雑誌(不定期発行)でなんと町田さんが連載を始めると!!!\(^O^)/
「プログラムという宇宙」

さっそくゲット♪
町田さんの初・執筆作品を読みました。

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

それで、ですね。
その感想はしばし置いといて…

実は私、タイムリーなことに、8月中旬、放送大学の「舞台芸術の魅力」というシリーズを録画していて、町田さんの連載読む前にまとめて見ていたんですね。

↓番組表はこちら!
舞台芸術の魅力('17)
(再放送はもうないのかな〜?)

このシリーズの中に
「バレエの古典」
「バレエの現在」
「ダンスの現在 モダンダンスからコンテンポラリーダンスへ」
という3回にわたって舞踊史を振り返るという回があり、これがすごく面白かったのです。

この講座を「つまみ食い」してから町田さんの今回のプログラム解説の連載を読みますと、グローバルな舞踊史(舞台芸術史、音楽史、美術史)をふまえつつ、俯瞰的にフィギュアスケートの歴史と、未来の可能性にふれるものではないかと感じました。

講座と町田さんのコラムを関連付けて考えたことを書きたいと思います。

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪


法政大学の鈴木晶先生は「バレエの古典」の中で、

●19世紀前半大流行したロマンティックバレエは、観客層の変化や、ロマン主義の衰退によって観客に飽きられ、次第にフランスではバレエは衰退した。
●いまだに残っているロマンティックバレエ作品は「ジゼル」くらいで、あとの作品はみな失われてしまった。
という話をされていました。

「舞踊というのは踊られなくなってしまうと永遠に失われてしまう」
町田さんの言っていた永遠に失われてしまうプログラムの話と重なります。

バレエとフィギュアスケートは、(意外にも)現在見られるような形になったのは、どちらもそんなに古い歴史ではなく、共に19世紀前半です。近代フィギュアの創始者ジャクソン・ヘインズもバレエダンサーということですし、双方変化しつつ影響しあってきたのですね。
その頃と現代のバレエやフィギュアは100年余を経て全く異なる印象のものになっている。現代我々の「定点観測」ではなかなか気づきませんが、これからもまたバレエもフィギュアのプログラムも少しずつ変化し続けるわけです。

今回連載第一回でジョン・カリーを取り上げていますが、彼は「フィギュアスケート」と「バレエ」という2つの「規律」を融合させた、とあり、連載タイトルは「古典と規範」。
「2つの規律が融合した形」がフィギュアスケートの規範、「舞踊」としての古典だという捉え方ですね。

その規律の1つ「バレエの規律」は、19世紀後半ロシアで練り上げられたクラシックバレエです。

2つめの「スケートの規律」というのは、おそらくオランダで発展したという図形を描くコンパルソリーなどの技術、競技会で発展してきたイーグルやイナバウアー、ジャンプなどの技術でしょうか。

カリーの演技は今日の目で見ると「3回転しか跳んでないじゃん」ていうことになるけど(笑)、なにせ40年前。
バレエダンサーも、足を高く上げすぎるの下品ってされてましたからね〜。
当たり前だけど、バレエもスケートも時代の好みや技術の発展によってどんどん変化してるわけです。
しかし、今の4回転やスケーティングスキルの点数を稼ぐスピード重視のスケートを見慣れている目には、カリーのポジション重視の、曲想に合わせたゆっくりとしたスローなスケートは、逆に大変新鮮に感じます。

このように、「時代や流行を超えた美しい表現を見つけて糧にしよう」「そのための作品アーカイブを残そう」というのが町田さんのテーマのようです。

ジゼルしか残らなかったロマンティック・バレエの話もそうですが、星の数ほど生まれるプログラムもどんどん消えていってしまう。競技ルールの改正で、現在観ているフィギュアスケートは、10年後はだいぶ違ったプログラムが作られるようになるかもしれません。

また、スケートファンが毎年年末に嘆き悲しむことですが、全日本選手権のような、予選を勝ち抜いた日本トップ選手の演技すら「全員は」映像に残りません。

このへんを、町田さんが著作権の研究でどう道を開くのか…
大変期待がもたれるところです。


♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪


「バレエの古典」「バレエの現在」「モダンダンス〜コンテンポラリー」の3回の講座をまとめると、

ロマンティック・バレエ→
クラシックバレエ→
バレエ・リュス公演→
戦後のアメリカとヨーロッパのモダンバレエ→
コンテンポラリーダンス→
反芸術・ポストモダン→
やっぱり芸術(21世紀)

というおおざっぱな舞踊史の流れになるのですが、興味深かったのは戦後のモダンバレエからの流れの解説。先生の定義では

◯1「ストーリーがないもの」
 純粋舞踊。形式主義。
ジョージ・バランシンやフォーサイスのように「目で見る音楽」としてのバレエあるいはダンス。

◯2「ストーリーがあるもの」
モーリス・ベジャールやノイマイヤー、キリアンのように「ストーリー」、もしくは抽象的ではあるが哲学的な「テーマ」を表現するもの。

にザックリ分けられるということでした。


さて、バレエのやり方に習ってフィギュアのプログラムをザックリ…と考えてみると。
常々思っていたのですが、フィギュアスケートのプログラムって
A  楽曲から振り付けする(表題音楽でない楽曲を使う)
B  バレエ、オペラ、ミュージカル、映画の音楽を用いて(そのストーリーや役柄を原作から借りて)振り付けする
の2種類がありますよね。


A は、町田さんの言葉だと「シンフォニックスケーティング」。よって、バレエの分け方の◯1かな。
…と書いてからハッとしたけど、ストーリーはないけれどテーマがあるのがシンフォニックスケーティングなのだから、むしろバレエの分け方の◯1の形式主義でなく◯2の方、ベジャールやノイマイヤーの方に近いかも!
案外◯1の組にはいるプログラムって少ないかもしれないなあと思いました。

B の創作とは、いわゆる「二次創作」ですよね? ※1
すでに(映画やミュージカルが創作した)存在するストーリーと主人公や物語の設定を利用しているわけですから。
フィギュアスケート以外でこういう「二次創作」ジャンル?の舞踊ってないような気がします。
もちろんバレエもミュージカルも過去の作品の「読みかえ」とかありますが…
昔はクラシック音楽がダントツで多かった気がしますが、歴史的にいつから映画音楽とかミュージカルとかが多い流れになったのでしょうか。(そして著作権問題はどうなるんだろう)

そのへんも、ぜひぜひ町田先生に解説していただきとうございます。


♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪


「バレエの現在」では鈴木晶先生が世界の舞踊の身体的表現方法をザックリ分けて、
●東洋は「手が中心で模倣的、重心は下へ向かう」
(武道なども、腰を落として構える)
●西洋は「足が中心で内面を表現、重心は高い方へ向かう」ということをおっしゃっていて、大変興味深かったのです。

バレエやフィギュアスケートは足が中心の技法で西洋のものですよね。

また、現代バレエも、日本やヨーロッパの好みとアメリカの好みはぜんぜん違うそうです。
(ベジャールもノイマイヤーもアメリカじゃ全然人気ないんですって!ひえ〜)

フィギュアでも、ヨーロッパとアメリカのダンスの潮流はどのように影響しあっているのだろうか?
その辺のことも切り込んでくれると面白いな〜と思います。

今はそれほどクッキリ別れてるわけではありませんが、古くからのライトファンとして見た限りでは、やはりアメリカ・カナダ系のスケーターとヨーロッパ、とくにロシア系のスケーターだとプログラムの好み、バレエの取り入れ方、違いますよね。

近代フィギュアスケートの創始者ジャクソン・ヘインズも、アメリカの大会ではあまり人気がなくてヨーロッパで活動してたそう。バレエバレエしてるのはアメリカじゃ受けないのかしらねw


♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪


今のところ私の頭脳ではこのくらいしか出てきませんが、町田さんのコラム、本当に面白いです。

きっと、学部の卒業論文の時から勉強してきたことをベースに、新たに学んだことを加味しての連載なのでしょうね。
そんな前から自分の研究したいこと、研究の方向性が定まっていたということ。さすがです。

しかも、「身体芸術論」は町田さんの専門分野の4つのうちの1つ。

スポーツマネジメント
スポーツ文化論
文化経済学

などいろいろな研究をされてますが、私が興味深いのは文化経済学かな。美術絵画領域とも関係ありますからね。

美術館、劇場みたいな箱モノを作る行政と運営する人の問題。
助成のシステム。
等々いろいろな課題があると思います。
きっと町田さんはスケートリンク問題も絡めて研究されてるんでしょうね!

その成果を私達が見ることが出来る未来もそう遠くないと信じて♪
とりあえず連載の続きを早く読みたいです〜。


※1
10月10日追記
CaOIのパンフレットの町田さんのインタビューで、「フィギュアスケートはすべて2次創作」だと書いてあったそうです。
著作権で使う用語の2次創作だと全くそのとおりですよね〜
私がこの時書いたのは、漫画とかアニメの2次創作の意味で使いました。
すみません町田先生(笑)
    22:51 | Trackback : 0 | Comment : 0 | Top

田園の弦六重奏版!

ベートーヴェンの18−3は次回で終わり♪
で、今度やる曲ってことで団長が探し出してきた曲が…
なんと「田園」の編曲版で弦六重奏バージョンをやるそうです!

そんなのあるんだなあと感心しつつ楽譜を見つつ、
一応YouTube検索してみたら…

ありましたありました!


オケでやったときは死にそうになったけど(特に2楽章目のウネウネが)
こちらの編曲版だとファーストバイオリンも2ndバイオリンも美味しい所が交互に出てきて、弾くのも楽しそうです♪
全楽章やったら疲れそうだけど(笑)
    13:42 | Trackback : 0 | Comment : 0 | Top
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Author : kero

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